脳波+ロボットのリハビリ技術

明治大学工学部の小野弓絵准教授穂翔会村田病院の共同研究チームが、脳卒中により手に麻痺などが残った患者を対象に、ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)を応用したリハビリ技術を嗅初したそうだ。患者の脳波を計測し、ロボットの補助によって運動機能の回復を目指す最先端技術で、今夏の検証実験を経てリハビリ手法の確立につなげるという。
脳血管障害が原因で麻痺などの後遺症が出た患者は、物を掴もうとして「掴む動作」自体を忘れてしまっていることが多いのだそうだ。患者が「掴む」イメージを掴みやすいように動画閲覧と脳波の計測、さらに装具を効果的に組み合わせたそうだ。
まずタブレット端末の画面に、手がボールを握ろうとするサンプル動画を表示。患者はそれを見て映像と同じようにボールを掴もうと念じると、脳波に特徴的な変化が現れるそうだ。それを脳波計で捉え、ほぼ同じタイミングで麻痺している方の手にはめたグローブ型装具が作動する。
手は装具によって動かされた格好だが、タイムラグがないため患者は自力で動かしたイメージを持つことになる。一連の運動を反復することで、「掴む動作」を再習得できると考えられている。
装具は、神奈川県のさがみロボット産業特区で開発されたエルエーピーの生活支援ロボット「パワーアシストハンド」を用いたとのこと。
研究チームは同病院の入院患者ら16人を対象に単回の実証実験を実施。短期訓練にもかかわらず指の動きが回復するなどの改善が見られたケースが複数あり、可能性の高さが示唆されたという。
小野准教授は「脳波計測とロボットによって動画の動きと手の動きが同期し、リハビリ効果が高くなる。反復によって脳血管障害で失われた経路に代わる別経路が脳内にでき、運動機能の早期の再構築がはかられるだろう」と説明する。
今後は指で「つまむ」動作にも応用できるよう研究を急ぐそうだ。自宅でもリハビリを継続できるようスマホ版の開発も検討するとのこと。
効果の高いリハビリ方法で麻痺が改善されれば、後遺症の障害を引きずらずに生活することができるようになるだろう。さらに研究を進めて頑張ってもらいたい。